せっかく増上寺を取り上げたので、増上寺が出て来る話でも紹介しようかなと。 さすがに徳川家の菩提寺である増上寺の名を出すのははばかられるので、ここでは常笑寺と変えられていますがw 石川流宣《いしかわとものぶ》作『正直咄大鑑《しょうじきばなしおおかがみ》』(元禄七[一六九四]年刊)巻五の五 ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 正直咄大鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 第五 野暮《やぼ》の小僧 芝土器町《しバかわらけまち》常笑寺《じやうせうじ》に寒龍《かんりう》と言ふうて十四、五になる小僧有り。 心様《こころざま》しどけなく、取り成りたよ/\と、物打ち言ひたる言葉、強からぬ有様、楊柳《やうりう》の観音とも言ひつべし。 ある時、懇《ねんご》ろなる旦那、夜《よ》更《ふ》くるまで遊び留まりたれば、伽《とぎ》にとて、彼の小僧を側
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