藤市こと藤屋市兵衛について言及された資料で、一番有名なのが、『町人考見録《ちょうにんこうけんろく》』[享保十三(一七二八)年頃成立]です。 『町人考見録』は、豪商三井家の当主、三井高房が、先代の父高平の話を元に、京都商人の盛衰をまとめて子孫のために残したもので、写本で伝わり、内容の信憑性《しんぴょうせい》も高いと思われます。 今回はちょっと手抜きで、大正時代の活字本でご覧ください。 徳川時代商業叢書 苐一 - 国立国会図書館デジタルコレクション この活字本、多少間違っている所もあるのですが、ちゃんと実際の写本もいくつか確認しながら訳しました。 【現代語訳】 〇藤屋市兵衛 室町通御池町に住居を構えていました。 初代市兵衛は、同じ御池町の藤屋清兵衛と言う者の手代[使用人]から独立しました。 その際に、主人から商売の資金として、銀五百匁[約八十万円]を受け取り、長崎に通って商売をしました。 商売
![[8]藤屋市兵衛 ~『町人考見録』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/10576fe36c9af1eac3310300f6037d599093a947/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKihiminHamame%2F20230727%2F20230727214333.jpg)