前項でマイクロホンの構造的な種別はおわかりいただけただろう。昨今では音声通信の普及やコンピューターによる音声認識システムなどの発達で、普段の生活の中にもマイクロホンはどんどん進出してきている。だからこそ「音」の質が問われる世界では、マイクロホンの種類や構造などの違いを充分に理解して、上手に使いこなしたいところだ。 さて次はあらゆるマイクロホンに備わる性格のひとつ、「指向性」を説明していこう。今回は、ちょっと学術的記述が多めである。物理、ワカリマスカ。 どの角度の音をはっきりと捉えるころができるか、どの向きに感度が良いか、というのを「指向性」と呼ぶ。人間の聴覚は収音する板の役目をする外耳の構造から、前で鳴った音がよく聞こえるようにできている。不確かな音をしっかり聴こうとする場合、わたし達は頭を回してその方に耳を向ける。無意識のうちによく聞こえる方向を選び出しているわけだ。マイクロホンの「指向