地球は太陽の周囲を、月は地球の周囲をまわっている。 ところが地球上では、太陽も月もあたかも地球を中心にまわっているように見える。そこで便宜上、太陽が空に描く1年間の通り道を「黄道こうどう/おうどう」、地球の周囲を公転する月が27.32日かけて空に描く通り道を「白道はくどう」とし、地上から宇宙を観察するときのひとつの目安としている。つまり白道は月の公転軌道を、黄道は地球自身の公転軌道を、それぞれ地球から見た天空上に描き込んだ"図"なのだ。 地球の公転軌道に対して月の公転軌道は約5°傾いているため、当然、白道も黄道に対して約5°傾いている。別の項で触れるが、この傾きは日食・月食が起こる頻度とも関係が深い。右図のとおり2つの軌道が交差する交点は2つあり、黄道面に対して月が昇っていく側を「昇交点しょうこうてん」、月が降りていく側を「降交点こうこうてん」という。月が昇交点から再び昇交点(あるいは