いま、落語が楽しい。これまでにも何年かに一度は大小の落語ブームが起こってきたけれど、ドラマや映画、漫画や小説などで培われてきた蓄積によって、ここ数年でもっと太い流れになってきたように思う。実際、新宿末廣亭や、上野の鈴本演芸場などの寄席に足を運ぶと、若いファンの姿が目立つ。 そんな落語の勢いを支える人気落語家の一人が、柳家喬太郎だ。喬太郎師匠の落語は、とにかく楽しい。古典落語も創作落語も、異常なくらいに枕(本筋に入る前のフリートーク部分のこと)が長く、それが抜群に笑える。「いま最もチケットのとれない落語家」と呼ばれるのも納得である。 そんな師匠が、ここ数年取り組んでいるのが『ウルトラマン落語』である。有名特撮シリーズをモチーフにした落語は、マニアックでありながら、なぜか万人が笑えてしまう普遍性を持っている。今回、そのDVD化を記念してインタビューする機会を得た。『ウルトラマン』シリーズへの愛