「大量に“新古車”を流しているというのは、業界では公然の事実。どの輸入車メーカーもやっていることだが、特にベンツは露骨だ」。とある輸入車ディーラー関係者は、そう内情を打ち明ける。 新古車とは、自動車メーカーやディーラーの名義でナンバー登録されて中古車市場へ流れた未使用車のこと。実態は新車でありながら、形式上は中古車扱いとなる。 今、輸入車業界では、新古車が増え続けている。下表は、各ブランドの新古車構成比を近似的に表したものだ。特に、独メルセデス・ベンツの構成比は6割を超えており、異常な実態がうかがえる。 自動車業界では、新古車手法が繰り返されてきた。自動車メーカー・販売店にとっては販売実績のかさ上げになるし、ユーザーにとっては割安で未使用車を取得できるからだ。 もっとも、新古車手法は万能ではなく、むしろ“禁じ手”である。新古車の台数が増え続ければ在庫が膨らみ、中古車価格は下落する。結果的に