今季最終戦となったヤンキース戦に登板した松坂大輔だったが、3回途中5失点で降板した 松坂大輔と初めて出会ったのは、彼が18歳のときだ。あれから14年が経ち、松坂は32歳になった。 高校生の頃から今に至るまで、松坂と接していて、いつも思うことがある。 それは、超一流のプレイヤーにありがちなコンプレックスの類を、彼からはまったく感じたことがないということだ。わかりやすいところで言えば、体が小さいとか、家が貧しいとか、野球界のエリートコースを歩めなかったとか、超一流の域に達したプレイヤーから話を聞くと、望むと望まざるとにかかわらず子どもの頃から背負わされた何かしらのコンプレックスがあったんだろうなと想像させることが珍しくない。そうしたプレイヤーほど、負の感情をバネに天井を押し上げ、屋根を突き破って、無限に広がる大空へと飛び立っていくものだ。 しかし、松坂からはそうした負の感情を感じない。体に恵ま