タグ

文学に関するLL77のブックマーク (3)

  • 江ノ電とJK

    時間があれば、鎌倉から江ノ電に乗ってみてほしい。時間帯は平日午後4時台がおすすめだ。 運が良ければ、300型の車両を捕まえることができる。その際、始発駅だからといって長椅子に座ってはいけない。ドアの脇に立つべきである。理由は後述する。 300型は昭和30年代に生産された当に古い車両で、狭い車内や木造りの床に包まれると、自分が生まれてもいない時代のものにもかかわらず、何かひどく懐かしい気持ちになる。 それだけでも感無量なのだが、電車が鎌倉高校前に着くと、大量の女子高生が乗り込んでくる。季節柄、女子高生は汗ばんでいて、車内には一気に若い汗の匂いと体臭が充満する。女子高生の中には一定数の男子高校生が含まれているのだが、無視するよう俺は訓練されているので問題はない。 狭い車両なので、いきおい女子高生との(物理的な)距離も近くなる。座っていては女子高生との距離は遠くなる。立っていなければ。しかし、

    江ノ電とJK
  • 村上春樹的桃太郎

    昔、とは言ってもだいぶ昔のことなのだけれど、僕はある町(名前もない小さい町だ)にと二人で暮らしていた。 多くの夫婦がそうであるように、僕たちの間にもいささかの問題があった。 他人からしてみれば些細な問題かもしれないのだけれど、はよくそのことで自分自身を責め、彼女が来持つ良さを損なっていたと思う。それは2月に突然降る冷たい雨のように僕たちを苦しめた。 「あなたはどう思うの?私たちに子供がいないことについて」とが言った。そのとき僕たちはボンゴレ・ビアンコといんげんのサラダをべ終え向かい合って座っていた。テーブル越しのはなんだかいつもより疲れているように見えた。 「ねぇ、最初に言っておきたいんだけど」と僕は言った。 「僕は特に子供が好きじゃない。それに子供がいないことは夫婦の自由な選択の結果であって、君が苦しむべき問題じゃないと思う」 は頬杖をついて僕の方をじっと見つめ、(あるいは

    村上春樹的桃太郎
  • 10年ニートの末就職して世界の真実に辿り着き一人爆笑した

    5年間ニートをしていた。 大学時代もニートのようなものだったから実質10年くらいニートだった。 父が定年退職し、介護が必要となった祖母を自宅に招き、僕は実家から居場所をなくした。 初めて家を出て自分の力で働いてお金を稼ぎ、その苦労を知った。 自分の部屋に引きこもっていた頃、僕は自分が世界で一番不幸な人間だと信じていた。 それは境遇や生い立ちにおいてもある程度はそうであったけれど、何よりも僕には幸福なことを幸福なこととして感じる回路が欠落しており 今後僕の人生において何が起ころうと、それは絶望や苦悩という尺度でしか僕には認識できないんだと、気でそう思っていた。 毎日、アニメを見ながら2chに書き込み、漫画を読み耽りながらポテチの塩を指にべったりと付け たまに思い出したように「若きウェルテルの悩み」や「車輪の下」を棚から取り出してきては主人公に自分を重ねて自分は何と不幸なんだろうと嘆いた。

    10年ニートの末就職して世界の真実に辿り着き一人爆笑した
  • 1