世界3位の経済大国でありながら、子供の7人に1人が一般的な生活水準より貧しい「相対的貧困」状態に陥っている日本。経済的な理由で教育や体験の機会が制限されることにより、子供たちは進学、就職など人生のさまざまな面で不利な状況に置かれてしまう傾向にある。国も対策に乗り出している一方、民間でも支援の輪が広がりつつある。(手塚崇仁) 「栄養ある食事を取り、規則正しい生活で心を安定させ、良い教育を受けて見識を豊かにし、自立した人間になってほしい」。川崎市多摩区で平成29年からNPO法人「川崎寺子屋食堂」を運営している竹岸章さん(72)は、こう話す。 大手予備校に長年勤務。退職後、新聞などで目にした子供の貧困問題についての記事をきっかけに、「少しでも手伝えたら…」と、子供に食事と学習の機会を無料で提供する同食堂を設立した。 温かい食事や団欒を提供する「子ども食堂」は通常、月に1~2度開催のところが多いが