この夏の日本は猛暑に見舞われた。地域によっては40℃を超えるような猛烈な暑さを記録した。わが国の夏は高温多湿であり、場合によっては熱帯のシンガポールよりも苛烈だという意見もある。とくに都市部では建物のエアコンの排気熱などによる、いわゆるヒートアイランド現象によって、より気温が高くなっている。 そんな日本で活動する陸上自衛隊が装備している装甲車両には不可思議な現実がある。 中国やインドでもエアコンありが常識なのに そもそも防衛省、自衛隊は国産兵器を開発する理由として「わが国固有の環境、運用に適したものが必要」ということを金科玉条にしている。 だが、このような夏の高温多湿という「わが国固有の環境」にもかかわらず、NBC(核・生物・化学)偵察車、軽装甲機動車などの一部を除いて、自衛隊のほとんどの国産装甲車両には乗員用のエアコンが装備されていない。今どきは、パキスタンやインド、中国などの装甲車両で