現在進んでいる「グローバリズム」のいわば「勝ち組」である英語を母国語とする人たち。その文化の中に、ローカルなものがないかと言えば、そんなことはない。英国にも、アメリカにも、それぞれの固有の「ローカル」な文化がある。 たとえば、ヒース・ロビンソン。イギリス人に深く愛されているイラストレーターである。私は、ケンブリッジに留学中に、近くのイリーの街の骨董屋で見つけた。オリジナルということはないにせよ、複製なのだろうと思い込んでいたが、後で、ヒースロビンソンのイラスト集の本を一頁ずつばらばらにしたものだと分かった。 滑車や、紐、椅子などを組み合わせた奇想天外な「機械」で有名なヒースロビンソン。やたらと凝っていて、実用的には役に立たないものを一般に「ヒースロビンソン」と言うくらいに、人口に膾炙している。しかし、イギリス国外では、あまり知られていない。 あるいは、アメリカの田舎の夏を飾る「フェア」。私