5月後半の注目は伊勢志摩サミットである。安倍政権としてはサミットを成功させ7月の参院選を勝利に持ち込むまでは円安・株高を維持したいところだ。マーケットでは消費税増税先送りは既に織り込み済みであり、黒田総裁もマイナス金利をこれ以上深化させることはなく、現状維持と予想されている。 果たして世界はこれをどう見ているのか。元ムーディーズで日本の事業会社の格付けを担当した森田隆大氏は、安易な消費税増税の延期・凍結には大きな信用リスクがあると指摘する。現にムーディーズ社は3月に「理由のいかんを問わず、再延期による財政への不安は大きいものになる」と厳しいコメントを示し、国債格下げの可能性を示唆した。 現在、日本国債格付けはA+(Aプラス)もしくはAである。消費税増税先送りになった場合、政府はどのように財源を確保し財政赤字を改善するのかについて十分な説明を尽くす必要がある。日本の財政規律が不透明で不確