学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却の交渉記録を記した文書や電子データを財務省が廃棄・消去したとされる問題で、同省は2日までに当時使用していた情報システムを更新した。運営を委託していたNECが近くデータを物理的に消去する作業に入る。この作業でデータが完全に消去されれば真相究明への道がいっそう険しくなる。 今回、財務省が更新したシステムは2013年1月から使用していたもの。学園が国有地取得要望書を提出した同年9月から、学園に国有地を売却した昨年6月までの全期間で使われていた。職員に貸与されていたパソコンも一斉に更新された。 システムや職員のパソコンには交渉記録などのデータが物理的に残っている可能性があり、野党は保存の必要性を指摘。「犯罪捜査でも消去したデータの復元を行っている。このまま更新したら国民から隠蔽(いんぺい)と思われる」(民進党の高井崇志氏)などと更新の凍結を求めた。しかし