コロナ危機以降、日米の若年層で消費動向に変化が見られるが、その様相は極めて対照的だ。米国では、経済的な不安感の広がりや将来の不確実性の拡大を背景に、「今」を楽しむために浪費を重ねる「破滅的消費(Doom Spending)」が社会問題化している。一方で日本では、将来への備えのために節約傾向を強めており、消費回復の妨げとなっている。そこで本コラムでは、米国と比較した日本の若年層消費の特徴を分析し、過度な「倹約化」を防ぐための提言を行う。 日米の消費動向は明暗が分かれている。GDP統計における実質消費を見ると、2024年1-3月時点で米国は、物価高や金融引き締めといった逆境の中でも予想に反して堅調さを維持している。これに対し、日本は4四半期連続で前期比マイナスとなった。 集計方法や対象といった統計の差には留意が必要だが、政府統計をもとに日米の年代別消費性向(=収入のうち消費に回す割合)を示した