キュゥべえの主張であるが、私はキュゥべえが魔法少女システムを運用する理由は結局自己の生存のためであろうと思っていた。魔法少女を取り巻く必然性の形象は、キュゥべえのシステム運用理由という形で結晶化し、もって生命の賛歌を高らかに歌い上げるのであろうと思っていた。これは結果的には誤りではなかったが、キュゥべえはこの主張は宇宙単位の功利主義にまで拡張し、最早正義の諸構想の仲間入りを果たしていたのであった。かくてキュゥべえの主張の説得力はいよいよ強まり、まどから魔法少女らはいよいよエゴイズムに陥ることとなったのであった。 かねてより私は、キュゥべえの主張は何ら倫理的におかしくないことを主張してきた。9話におけるキュゥべえ側の主張はこれを極めて強い形で強化する。キュゥべえの主張は「宇宙全体の効用増加のために最も効率的な方法(魔法少女システム)によってエネルギーを抽出すること」、これであった。しかもこれ