論文解釈のピットフォール 【第9回】 臨床試験のエンドポイントを読む――「心血管イベント」はみな同じ? 植田真一郎(琉球大学大学院教授・臨床薬理学) (前回からつづく) ランダム化臨床試験は,本来内的妥当性の高い結果を提供できるはずですが,実に多くのバイアスや交絡因子が適切に処理されていない,あるいは確信犯的に除 去されないままです。したがって解釈に際しては,“ 騙されないように” 読む必要があります。本連載では,治療介入に関する臨床研究の論文を「読み解き,使う」上での重要なポイントを解説します。 臨床試験のエンドポイントを読む-複合エンドポイント解釈の難しさ 前回は,エンドポイントはいわば臨床試験における,例えばある薬剤の優越性を決める際のルールであり,診療への応用を考える上で最も大切なものであるということをお話ししました。本来動脈硬化性疾患では,「脳卒中」「心筋梗塞」「死亡」といった判
ノバルティスファーマ(東京)の降圧剤ディオバン(一般名バルサルタン)を使った臨床研究の信頼性を検証していた東京慈恵医大の調査委員会は30日、血圧値のデータが操作されていたとする中間報告をまとめた。 研究責任者の望月正武客員教授は「重大な疑念を生じさせた」として英医学誌ランセットに掲載された論文の撤回を申し出るとのコメントを発表した。 調査委は、ノ社の元社員がデータ解析を行いながら、論文では非常勤講師を務めていた大阪市立大の所属だけを示し、「解析グループはノ社から独立していた」と記述したことを「不実記載」と認定。望月氏の責任は重大と非難した。血圧データの操作も含め、論文は「基本に欠陥があり、信頼性を欠く」と断じた。
データ操作「証拠なし」=高血圧薬の臨床研究−ノバルティス データ操作「証拠なし」=高血圧薬の臨床研究−ノバルティス 記者会見するノバルティスファーマの二之宮義泰社長=29日午後、東京・丸の内 大手製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」(一般名バルサルタン)の効果を調べる臨床研究のデータが不正に操作された疑いが持たれている問題で、同社の二之宮義泰社長は29日、東京都内で記者会見し、「データ操作を示す証拠は発見されなかった」とする調査報告書を発表した。 親会社のスイス・ノバルティスファーマ社が法律事務所に委託して調査。臨床研究に関与した社員(5月に退職)や上司らのメールなどを分析し、聞き取り調査を行って報告書をまとめた。 報告書によると、京都府立医大、東京慈恵会医大、千葉大、名古屋大、滋賀医大の5大学が2001〜04年に始めた臨床研究で、元社員は統計解析や論文執筆に関与。
製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「ディオバン」(一般名バルサルタン)の医師主導臨床研究で、同社の社員(当時)がデータ操作に関与した疑いが指摘されている問題で、東京慈恵会医科大は30日、元社員がかかわった同大の臨床研究について、「論文中の患者の血圧値データは、何者かによってデータが人為的に操作されていると考えられる」との調査結果を発表した。 調査結果を発表する調査委員会のメンバー(30日、東京慈恵会医科大) この問題を調べている同大の調査委員会は、これまで調査協力を拒んできた元社員から事情聴取を行えたことを報告。データ解析に関与していないという元社員の供述に対し、「社員がデータ解析を行った証拠資料が存在する。供述は虚偽であり、信用できない」と断じた。 また、同大が提供した患者データについては、「カルテとの照会の結果、おおむね合致した」と指摘。臨床研究に従事した同大の医師らによるデータ操
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