高次病院に勤務していた頃の話。肝疾患の終末期で中規模病院に入院中の患者さんが、「なんとかできないか」と紹介されてきた。紹介元の医師も、特別な治療法はないことを承知しており、患者さんにもそう説明している。しかし患者さんが納得されないので、セカンドオピニオンを求めるような形での受診となった。医療者側の思惑としては、高次病院の医師からも同じ説明をされれば、患者さんも少しは納得されるのではないかというところだったが、結果的には患者さんは満足されなかった。転院の希望を聞いてもらえなかったばかりか、何の検査もしないのに予後不良の説明をされたというのがその理由。 ベッドがガラガラに空いているのならともかく、常に入院待ちのいる状態である。一般病院でも診れる患者さんを、ご本人の希望だからといって無制限に入院させていたら、高次病院でしかできない治療を要する患者さんの不利益になる。また、必要な検査は、紹介元の病