本書の主題は、レピュテーションである。原書のタイトルは「The Reputation Game The art of Changing How People See You」で、評判をゲームとしてモデル化し、そのゲームを勝ち抜くためのお作法をまとめている。流し読みするだけでも、周囲からの評価を得ようと躍起になり、他者からの評価に振り回される日常を冷静に俯瞰することができるだろう。知ることで冷静になれる、単純明快な実用性がある。 また、読み込む価値も充分にある。なぜなら、本書が最終的に問いかけていることの一つは、「本物になろうと努力しますか、ズルしますか」という単純で深い問いであるからだ。 人間は悪人でなくとも、ズルしたくなり、さらにちょっとした噓やごまかしを正当化してしまう。なかでも、評判というのは厄介で、一時的に見繕うことができてしまう。例えば、有名人と仲が良いことをほのめかし、共同でセ
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