政府が延期に向けて動き出したのは、3月12日のことだった。 ギリシャで聖火の採火式が行われたこの日、安倍は、総理大臣官邸で東京都知事の小池と会談した。表向きは、感染が拡大している新型コロナウイルス関連で、東京都からの緊急要望だった。 しかし、ひそかに「福島県で聖火リレーがスタートする26日までに、日本が主導してIOCと話をつける必要がある」という認識で一致した。政府関係者は、「総理は、日本に上陸する聖火を消すわけにはいかないと思い、中止という最悪の事態だけは避けたいと決意したのではないか」と解説する。 さらに同じ日には、アメリカ大統領のトランプが、東京オリンピックについて、「無観客など想像できない。1年間延期したほうがよいかもしれない」と発言。トランプは、それまで日本政府の判断を尊重する考えを示していたが、初めて延期に言及した。 予定どおりに開催するか、中止か、延期か。最終的な判断を下すの
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