VRの父と呼ばれるジャロン・ラニアーによる、激動の半生とVRについて──『万物創生をはじめよう──私的VR事始』 この『万物創生をはじめよう』は、最初期のVR技術の探求、起業者であり、VRの父と呼ばれる(バーチャルリアリティという言葉の発案者でもある)ジャロン・ラニアーによる自伝的な一冊である。幼少期からはじまり、VRとは何なのか、どこを目指すことが可能なのかというVRそれ自体への問をはさみながら、彼が設立したVR系企業VPLリサーチを去る92年までが描かれていく。 ジャロン・ラニアーは1960年生まれで、まさにインターネットの草創期、そしてシリコンバレーが盛り上がっていく渦中に働き盛りの若者としてその現場にいた人間である。のちのインターネットの巨人たちがガレージで作業に勤しんでいる間、彼もまたVR技術を発展させようと実験・研究を続けていた。そうした草創期の混乱、そしてまだまだ技術としては
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