ホントのところ、「大学新入生」と銘打っているものの、わたしのためのブックリストなのだ。 大学教師が新入生にすすめる100冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる というのに触発されました。この「読んできたやつ、未読のやつ、読みたいやつ」を抽出して、ごたまぜに並べるという趣向は自由でとてもいい、と思い、私もやってみました。 一冊だけ、ほとんど読まれていないようだがなかなかの佳品だ、と思う多田富雄「懐かしい日々の想い」をプッシュしておきます。要するにお医者さんが脳梗塞で倒れ、奥様(もまたお医者さんだ)のケアで一命を取り留め、半身不随になってしまってリハビリする、という体験記です。こういう本はハズレがありません。高度な教養を備えた人物がプロフェッショナルとして長い経験を積み重ねた上で、老いて生死の境をさまよった末に紡ぎ出された本というのは簡単に書けるものではなく、ひとしずくひとし