2011/7/3114:7 そろそろ自転車についてもう少しまじめに考えよう 山口浩 探しても原文が見当たらないので記憶違いかもしれないが、いまは亡き伊丹十三が何かの本で、自転車を「もっとも高貴な乗り物」と評していたのではなかったかと思う。別に高級な、あるいは高価なものという意味ではなく、田舎道を行くふつうの自転車についての話だったような記憶なので、おそらくは自転車なる乗り物自体がもつ簡素な機能美とか、周囲と調和する感じとか、そういったものを指しての評価だったのではないかと想像する。 個人的にも、自転車という乗り物にはそれなりのシンパシーを感じているつもりだが、いまのところ、それを日常の足としては使っていない。理由はいくつかあるが、もっとも大きいのは、現在の日本の状況で、いわゆる「サイクリスト」のグループに入ること自体がいまひとつ気乗りしないからだ。 自転車をめぐる問題は以前からあって、改善