都道府県単位で行われてきた参院選の選挙区選で合区が登場し、2つの地域で県境をまたぐ選挙戦が始まった。そのうち、総面積が約1万平方キロに及ぶ鳥取・島根選挙区(改選数1)では各陣営から「広すぎる」と嘆きの声が上がり、有権者の間でも「候補者との距離が遠い」と不満がくすぶる。候補者は初日から“合区解消”を訴えた。 自民現職、青木一彦氏(55)が松江市内で行った出陣式。鳥取県選出の石破茂地方創生担当相も激励に駆けつける中、青木氏は「誰も経験したことのない合区の選挙だが、なんとしても勝ち抜く」と強調した。一方、鳥取県米子市では青木氏の長男、幹太郎さん(24)が代理として支持者の前に立ち、「父が来られず、お手伝いすることになった」。 未知の合区に陣営内には戸惑いもある。青木氏の地盤がある島根では、自民は従来、県議や国会議員が同行して集会をはしごし、候補者の顔や政策を知ってもらう方法を王道としてきた。