本章では、二項検定を学びます。二項検定は、本書で学ぶ統計手法の中では、最も使用頻度が低い手法です。しかし、統計学の入門に最適な学習項目です。理由が3つあります。第一に、高校1~2年で学んだ数学だけで、この手法の原理を完全に理解できます。統計手法はたくさんありますが、唯一この手法だけは、全て手作りの計算で実行できます。第二に、面倒な検定統計量の計算を必要としません。第三に、二項検定には、検定の論理の全てが詰まっています。こうした理由から、読者のお父さんやお母さん、もしくは、お爺ちゃんやお婆ちゃんの世代では、二項検定は、高校の数学の教科書で解説されていました。この「とても分かりやすい」という長所を、活用しない手はありません。本書では、統計学の学習を、二項検定から始めます。本章では、当時の大学入試の頻出問題をさらに簡単にした例題を使って、学びます。… 本書の使い方 統計学を学ぶ心がけ/予備知識/
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