「共依存 co-dependency」という概念は、1970年代終わりのアメリカで、アルコホリックの治療にあたる臨床の現場で生まれたと一般にいわれている*1。しかしその概念自体は未だ確定したものではなく、それぞれの研究分野によって、その解釈にも相違がある。本論文で共依存を扱うにあたり、この章では共依存概念における混乱を整理し、共依存概念についての筆者みずからの立場を明らかにしておきたい。そのためにも、まずは共依存概念の成立の過程を、アルコール依存症との関連からたどってみていくことにする。 1930年から1940年にかけて、当初、本人の意志の弱さがその原因とみられていたアルコール依存症は、専門家の治療のもとで病気としてくくられ、医療化されるようになってきた*2。またその一方で、1935年にアメリカ東部において、中流階級の白人男性のアルコホリックたちがみずからの回復をめざして、宗教的、秘密結社
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