県や市町村の職員を対象とした「放射線の健康影響に関する講演会」が八日、県庁であり、福島第一原発事故後、住民からの問い合わせや相談に対応している職員ら約四百人が参加した。 講演で長滝重信・長崎大名誉教授は、広島と長崎の原爆被爆者の追跡調査を基にした国際的な合意として「一〇〇ミリシーベルトを超える被ばくは発がんのリスクが上がるが、一〇〇ミリシーベルト以下については疫学的には分からない」と解説。その上で「一〇〇ミリシーベルト以下の放射線の影響は、野菜不足や受動喫煙といったほかの発がんリスクにまぎれて見極められない」などと話した。 講演会には橋本昌知事も参加した。職員から「(国が示す)基準値に振り回されている気がする」「家庭で作った農作物を食べて大丈夫か、という問い合わせが多いのだが(どう答えたらいいのか)」などの質問が相次いだ。