マルチタスクにも2種類の作法がある 本連載では「OSの目的のひとつは資源の管理」と説明しているが、その“資源”の中で最も重要なのが、「CPUの処理時間」の配分である。マルチタスクのOSでは、「次にどのプロセスを実行するのか」は一番重要な問題であり、これがうまくいかないと、同じハードウェアでも性能に違いが出てしまう。 マルチタスクで使われる用語に「プリエンプティブマルチタスク」という語がある。これは、OSによるCPUの処理時間の配分、つまり「スケジューリング」の動作を示すものだ。ちなみに反対語は「協調的マルチタスク」(ノンプリエンプティブ、疑似マルチタスクとも)。プリエンプティブの場合、OSは実行中のプロセスを停止させて、ほかのプロセスを再開させることができる。これを一定間隔で行なうことにより、複数のプロセスを見かけ上、同時実行させているわけだ。 これに対して協調的マルチタスクは、システムコ