【動画】南極観測船「しらせ」が帰港東京港に入港した南極観測船「しらせ」=9日午前8時52分、朝日新聞社ヘリから、葛谷晋吾撮影 南極観測船「しらせ」が9日朝、東京・晴海埠頭(ふとう)に帰ってきた。厚い氷に阻まれて18年ぶりに昭和基地に接岸できなかったうえ、2万キロ近い帰路は右舵(かじ)が壊れて左舵だけでしのいだ。 基地周辺はここ数年海氷が厚い状態が続く。しらせは氷に体当たりして砕氷する「ラミング」を2422回繰り返したが、基地まであと21キロの距離で接岸を断念。ヘリコプターと雪上車で計画量の6割弱にあたる物資を運んだ。 防衛省によると、右舵は帰途についた2月13日に故障。砕氷中に氷の塊にぶつかったとみられるという。観測隊員や乗員をヘリで救出する輸送艦の派遣も検討されたが、ラミングを1809回繰り返して氷の海から脱出した。(中山由美) 関連リンク動画ページ南極「昭和基地を訪ねる旅」に極地