毎年SIGGRAPHの展示では,実用化前の先端技術を体験形式でお披露目できるEmerging Technologiesのコーナーが設置されている。ここは日本の大学や企業,そのほかの研究機関が数多く発表を行っている展示コーナーであり,「SIGGRAPH広し」といえども,日本の存在感が最も感じられる場所でもある。 今年のEmerging Technologiesで最も注目を集めたのは,ソニーが開発した円筒形透明ホログラムディスプレイだろうか。開発を担当したのはソニーの基礎技術研究所に相当する「R&Dセンター」だ。運よく,ブースで筆頭研究者の統合技術開発第1部門インタフェースデバイス開発部,開発1課のディスプレイデバイスエンジニアの中村知晴氏に話を聞くことができたので,その取材内容も交えて,この技術の紹介を行うことにしたい。 運動視差で立体像を表現する円筒形透明ホログラムディスプレイ まず最初に