どこを見渡しても、誰もいない。まるで撮影の終わった映画のオープンセットのように、町並みだけが佇んでいる。 それまでのどかな高原地帯だった「清里」は、80年代後半にファンシーな雰囲気の漂う避暑地として人気を集め、若い女性たちが集うようになった。しかし、ブームが去ると町は徐々に衰退し、再開発されることもなく打ち捨てられてしまった。それがいまや写真映えのする「メルヘン廃墟」として評価され、一部の好事家たちを呼び寄せているという。(取材・文=素鞠清志郎/清談社) (全2回の第2回/2回目を読む) 1988年ブームだった清里も、今や静かな「メルヘン廃墟」 そんな評判を聞き、儚くも不気味な廃墟タウンを散策してみようと清里に来てみたのだが、観光客はおろか人影がなく、開いている店もほとんどない。 平日の昼下がり、さらにアフターコロナという状況ではあるものの、まるで街ごと神隠しにあったような静けさは異様だっ
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