社会学, ブルデュー研究 ハビトゥス概念と資本概念については以前のエントリで書いたので(リンクをクリックして下さい)、今日は界概念について書ます。 ハビトゥス、資本、界の3概念を、僕はブルデュー社会学の3つの基礎概念と呼んでいます。この見方をしているのは日本ではほとんど僕だけかもしれませんが、フランスのブルデュー派の研究者の間では常識となっています。「そんなことわざわざ言うまでもない」という雰囲気で、ブルデューの社会学を応用したり批判したりする際にも、3つの基礎概念を軸に彼の社会学を考えるのがブルデュー派では一般的となっています。(もちろん、こうした前提に安住していてはいけないのですが、まずはこの見方を踏まえてからブルデュー社会学の批判的受容を行っていくべきです。) それでは、まずは僕が『ソシオロジ』誌に発表した論文の引用から。 「界」とはフランス語でchamp、英語でfieldに相当する
2005年3月31日付で『日仏社会学叢書』第3巻(恒星社厚生閣)として出版されました。 斉藤悦則・荻野昌弘編『ブルデュー社会学への挑戦 』というタイトルがつきました。 以下のテキストは pp.87~109 所収。 ブルデューが没した年(二〇〇二年)の秋、日仏社会学会の大会は「ブルデュー追悼コロシアム」と題するシンポジウムを催した(注1)。晩年のブルデューの活動を追ったドキュメンタリー映画「社会学は格闘技だ」(注2)のビデオを流しながら、そのタイトルにふさわしく、ブルデューに対する肯定的な立場と否定的な立場での議論を戦わせようという企画である。私は「否定的な立場」でこれに参加した。いわば「かませ犬」の役回りを割り当てられた。 社会学の「学界」のほとんど埒外に属する私にとって、これは気軽に引き受けられる立場であった。準備作業そのものにも負担感はなかった。ブルデュー好きの人々にとっては不愉快なこ
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