多くの疑問を残したまま、安全保障関連法案が16日、衆院を通過した。「絶対に必要な法案」と強調する安倍晋三首相。「国民の声を聴いて」「諦めず廃案を求めたい」。成立へと突き進む与党への抗議活動は全国各地でこの日も行われ、仙台では2人の元裁判官が異例の政権批判を展開した。 ◎なぜ憲法理念を覆すのか/元仙台高裁秋田支部長 守屋克彦さん 終戦時、国民学校の5年生だった。一番印象に残っているのは仙台空襲だ。塩釜市の自宅から西の空が真っ赤に燃え上がっている様子が見えた。 炎の中を米軍爆撃機B29が悠々と飛んでいた。仙台に来たら焼け野原が広がっていた。終戦を迎え、ホッとしたことを覚えている。 憲法に根差す新しい国をつくるため、法律を勉強した。裁判官になり、法律を守り、国民に守ってもらってきた。多数の力をもって憲法を勝手に解釈した安倍政権は自分勝手だ。なぜ憲法の理念をひっくり返すのか。政権も法を守って
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