芸能界というのは、生き馬の目を抜く世界である。そこでは生存を賭けた厳しい競争が日常的に行われている。新たな芸能人が次々とテレビに登場しては消えていく。長期に渡って生き残るのは一握りの人間だけ。だからこそ、「来年消えそうな芸能人」という残酷な発想もあるし、「あの人は今」なんて企画も生まれることになる。 こんな話がどのように『ドラゴンボール』とつながるのか? ドラゴンボールという作品ほど各キャラクターの浮き沈みや入れ替わりが激しい漫画はない。だから私は、この漫画を「芸能界に似ている」と感じる。ドラゴンボールのキャラクターを芸能人だと考えてみれば、そこにひとつの芸能界が生まれるのである。 たくさんの魅力的なキャラクターが登場した(『ドラゴンボール』42巻最終ページ) キャラクターの初登場シーンは「デビュー」に相当する。たいていは鮮烈なデビューを飾る。たとえば天津飯というキャラクターを見てみよう。