東京を中心とする情報空間と、沖縄の乖離がかつてなく拡大している。このままの状態が続くと、沖縄の日本からの分離が始まる。国際基準で見た場合、現在、沖縄で生じている出来事は、民族問題の初期段階だ。しかし、大多数の日本人には、このことが皮膚感覚としてわからない。 ここで沖縄にルーツがあるという自己意識を持つ人々を暫定的に沖縄人と定義しておく。沖縄人は誰であれ、程度の差はあるが、沖縄人と日本人の複合アイデンティティを持っている。複合アイデンティティを持つが故に、極端な方向に走り、日本人以上に日本人になろうとする沖縄人がでてくる。また逆に、日本人であるという自己意識を捨て、民族(ネーション)としての沖縄人を確立しなくてはならないと考える人もいる。