【ローマ=玉川透】イタリア中部で6日起きた地震について、地元研究者が約1週間前に発生を「予知」し、インターネットのサイトで警告していたと、伊紙レプブリカ(電子版)が伝えた。政府当局は「パニックを起こす」として警告を削除させていたといい、今後議論を呼びそうだ。 震源に近いラクイラを拠点に研究する物理学者ジャンパウロ・ジュリアーニ氏は、数年前から、地中から排出されるラドンの量を測定すれば、地震の発生をある程度まで予知できると主張。先週初め、ラクイラと約60キロ東南のスルモーナを大規模な地震が襲うとする研究結果をインターネット上で公表した。 瞬く間に地元に地震のうわさが広まり、拡声機を使って周辺住民に家から逃げ出すよう触れ回る人や、恐怖のあまり道路に飛び出す人が出るなど大騒ぎになったという。 事態を重く見た当局は専門家に依頼したうえで危険が差し迫ったものでないと判断。地震予知システムが信頼