大阪桐蔭高時代は1学年下にいた西岡剛より足が速いと言われ、走塁センスも打撃以上に優れていたという中村剛也。昨季は、頬骨骨折や右肘の遊離軟骨除去手術なども経験し、満足な形でのプレーができず、成績を残せなかった 中村剛也のすごさは、要は、ホームランバッター版の「イチロー」なのだと理解すればわかりやすいかもしれない。 大阪桐蔭時代の監督で、中田翔の恩師でもある西谷浩一は、中村をこう評する。 「中村は高校時代に80本以上、ホームランを打っていますけど、僕の中では、パワーヒッターというよりはテクニシャンなんです。あんなに柔らかいバッター、見たことがないですもん。だから『一発屋さん』みたいに見られるの、僕はすごく嫌なんです。高校時代は三振なんて、ほとんどしたことなかったですから。それが今は、あんな空振りするんや……って。中田が40本打って、200三振というのならわかる。でも中村は、選球眼もいいし、もと