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ブックマーク / number.bunshun.jp (44)

  • 「男」を捨てて「さん」を選んだ!?巨人・村田修一にG馬場の面影を見る。(プチ鹿島)

    ペナントレースの何が面白いって、開幕前の予想がひっくり返されることである。チーム順位もそうだが、個人も。 2016年、高橋由伸監督が初めて臨む公式戦の「開幕三塁」は岡和真のはずだった。今年20歳になる若者(2014年ドラフト1位)がチームを変える。球団、ファン、マスコミによる三者合意。 昨年に理由がある。 貧打に泣いた巨人、大砲不足に泣いた巨人、若手野手の伸び悩みに泣いた巨人――こんな泣きっ面の巨人にさらに野球賭博問題というハチが刺した。痛いのは自業自得。 こんなとき、どこかに空気を変えてくれる岡和真はいないか。貧打を解消してくれる岡和真はいないか。大砲不足や若手スター不足を解消してくれる岡和真はいないか。 いたのである。 去年までその役は大田泰示が担っていたけど、7年間待ちくたびれた人びとは2年目の岡に目を向けた。2016年のチームスローガン「一新」とは、ほぼ「岡和真」と同義

    「男」を捨てて「さん」を選んだ!?巨人・村田修一にG馬場の面影を見る。(プチ鹿島)
    MarHear
    MarHear 2016/05/17
    おもろい /「男」を捨てて「さん」を選んだ!?巨人・村田修一にG馬場の面影を見る。
  • 真のMVPは“サッカー界のゲバラ”だ。マスチェラーノに大きな喝采を!(工藤拓)

    ドイツの優勝に終わったワールドカップ決勝の直後、メッシが大会最優秀選手に選ばれたことに違和感を持った人は多いと思う。 グループリーグでは3戦連続でゴールを決め、スイス戦でも決勝点をアシストしたものの、準々決勝と準決勝は共に不発。決勝でも数度のチャンスを手にしながらゴールに結びつけられなかったメッシと比べれば、ロッベンやハメス・ロドリゲスなどの方が大会を通して強烈なインパクトを残した。 何よりアルゼンチンには、メッシよりも際立っていた選手がいたではないか。 「マスチェラーノは別格だ。アルゼンチンはマスチェラーノとその他10人だと4年前に私が言った際、みな笑っていた。だがもう笑うことはできまい」 準決勝オランダ戦の後、そう言って胸を張ったのはテレビのコメンテーターを務めていたマラドーナだ。彼の言う通り、今大会のアルゼンチンはメッシのチームではなく、マスチェラーノのチームだった。 攻守にマスチェ

    真のMVPは“サッカー界のゲバラ”だ。マスチェラーノに大きな喝采を!(工藤拓)
    MarHear
    MarHear 2014/07/16
  • 32試合で94点、今大会は“面白い”!W杯のトレンドを決めた3つの文脈。(田邊雅之)

    ブラジルのトップ下で、オスカルほど守備に奔走する選手はこれまでいなかった。攻撃を牽引すると同時に、守備でも大きな役割を果たすオスカルは、ブラジルにとってネイマールと同じか、もしかするとそれ以上に重要な選手である。 共に南半球の国、しかも同じ6月でも南アとブラジルはかなり気温が違う。4年前の南アでは、フリースやダウンジャケットが飛ぶように売れていた。だがブラジルの場合は、短パン+Tシャツ姿が基になる。正確に気温を測ったわけではないが、去年コンフェデ杯が行なわれていた頃と比べても暑いような印象を受ける。 それは気温ばかりではない。試合の内容もしかりだ。ちょうど全64試合の半分を消化した時点で、総得点数は94点。観客が派手なゴールに沸く場面は予想されたよりもはるかに多かったし、試合そのものもエンターテイメント性に富むものが大半を占める。これを書いている数時間前も、ポルトガル対アメリカ戦が終わっ

    32試合で94点、今大会は“面白い”!W杯のトレンドを決めた3つの文脈。(田邊雅之)
    MarHear
    MarHear 2014/06/24
  • 足で勝って、足で負けた侍ジャパン。あの8回裏の重盗シーン、全真相。(鷲田康)

    「連覇してくれた選手の方々もいらっしゃいましたし……そういうものを全部、自分が止めたような気がして申し訳ないです」と責任を全部ひとりで背負うようなコメントを残した内川。 その瞬間に三塁側の日ベンチはもちろん、スタンドの日応援団、そして記者席も一瞬声を失ったような沈黙が流れた。 準決勝のプエルトリコ戦の土壇場に起こった痛恨のミス。1-3と2点差としてなお1死一、二塁で一塁走者の内川聖一が飛び出してアウトになったプレーは、ある意味、今回の日本代表の強さと脆さを象徴するようなものであったように思う。 苦戦した1次ラウンドのブラジル戦、2次ラウンドの台湾戦と、この8回から試合が動いて、日に逆転への道は広がっていた。 もう一度、問題の場面を整理してみよう。 3点を追う8回。 当然、ファンだけではなく日ベンチも再びの逆転劇を意識してこの回を迎えたはずだった。 そして1死から鳥谷敬が右中間に三塁

    足で勝って、足で負けた侍ジャパン。あの8回裏の重盗シーン、全真相。(鷲田康)
  • 大迫勇也と柴崎岳が描く成長曲線。鹿島が誇る逸材が代表に君臨する日。 (細江克弥)

    22歳の大迫(写真左)と20歳の柴崎。2人とも、ほぼ全試合に近い出場でシーズンを通して活躍。2連覇となったナビスコ杯では、昨年は大迫が、今年は柴崎がMVPを獲得した。 J1最終節の鹿島アントラーズvs.柏レイソル、試合後の記者会見で鹿島の指揮官ジョルジーニョ監督は、サポーターへの感謝、そして志半ばでチームを去らなければならない無念さを、寂しげな表情で何度も口にした。しかしその途中、この日2得点を記録した大迫勇也についての意見を求められると、彼は表情を変えてこう断言した。 「まず、皆さんがもっと強調してもいいと思うのは、彼が将来、日本代表のセンターFWになるということ。それは間違いないことです」 その理由をいくつか連ねた後で、こう続ける。 「今のアントラーズには、おそらく2人、(将来的に)日本代表に君臨する選手がいます」 2人とはもちろん、大迫勇也と柴崎岳である。 ジョルジーニョがメディアに

    大迫勇也と柴崎岳が描く成長曲線。鹿島が誇る逸材が代表に君臨する日。 (細江克弥)
  • ブンデスでも代表でも稀有な存在!?岡崎慎司、その強烈な個性の正体。(細江克弥)

    シュツットガルト移籍3シーズン目となる今季。9月末に左足親指を痛め戦列を離れたが、10月末には実戦に復帰。徐々に出場機会を増やしている。 W杯最終予選のオマーン戦終了から約1時間後、メルマガ「福西崇史の『考えるサッカー』」の取材のため福西氏に電話をかけた。その会話の終盤で話題になったのが、試合終了間際に岡崎慎司が挙げた決勝ゴールである。福西氏は「いや、最初はよく分からなくてさ」と切り出した――。 “遠藤にボールが当たる”という予測が生んだ岡崎のゴール。 「何度も巻き戻して、スローで再生しちゃったよ」 ――岡崎のゴールですか? 「そう。どういう判断をしてスタートを切ったのか、それから、どうしてあの位置に飛び込めたのかがリアルタイムではよく分からなかった」 ――どういうことですか? 「ほら、あのシーン、酒井高徳の突破に合わせて、まずはヤット(遠藤保仁)がニアに飛び込んだでしょ。で、ボールがヤッ

    ブンデスでも代表でも稀有な存在!?岡崎慎司、その強烈な個性の正体。(細江克弥)
  • <波乱万丈の野球人生を語る> 小久保裕紀 「それでも歩んだ一本の道」(永谷脩)

    ファンに愛され続け、今季2000安打を達成した強打者が、 ユニフォーム生活に別れを告げた。たび重なる故障に見舞われながら 常に前向きに歩んできた男が、激動の19年間を自らの言葉で振り返る。 10月19日、CSファイナルステージ第3戦。ソフトバンクが日ハムに2点リードされて迎えた9回表2死二塁、一発出れば同点の場面で打席に立ったのは小久保裕紀だった。だが小久保は守護神・武田久の投じた3球目を打ち上げ、ショートフライ。その瞬間、ソフトバンクの2012年は終わりを告げ、2年連続日一の夢もあえなく絶たれた。そして同時に、小久保の野球人生も幕を下した。 「最後の打者が自分になるなんてね。聖一(内川)が出塁して、僕まで回してくれたのが嬉しかった。相手チームの稲葉(篤紀)から花束をもらい、胴上げまでしてもらった。波乱万丈だった自分の野球人生の最後にこんな素晴らしい巡り合わせがあるなんて……自分は

    <波乱万丈の野球人生を語る> 小久保裕紀 「それでも歩んだ一本の道」(永谷脩)
  • 控え選手から主力打者へと前進中!ブルワーズ青木宣親の“日々是勝負”。(菊地慶剛)

    5月18日のツインズ戦で、フライを背走しながらフェンス手前で捕球してみせた青木宣親。このプレーを地元メディアはウィリー・メイズ氏が、かつてワールドシリーズで見せたプレー“ザ・キャッチ”の再現だと絶賛した。 ここ最近のメジャーリーグでの、日人野手に対する低評価をまざまざと思い知らされたのは、今年のストーブリーグでのことだ。 それは、日人選手のメジャー挑戦が始まった頃の野茂英雄氏らと同じ。年俸や待遇などの低評価を一切気にせず、とりあえずはメジャーの世界に飛び込む。そして、そこから自らの力で逆境を切り開いていくという“ゼロからのスタート”が求められる時期に来たということだ。 そのゼロからのスタートを受け入れた1人が、ブルワーズ入りした青木宣親選手だ。 ポスティング制度を利用してメジャー入りを目指し、ブルワーズとの独占交渉権を得たまでは良かった。だが、青木を必要として入札したはずのブルワーズは

    控え選手から主力打者へと前進中!ブルワーズ青木宣親の“日々是勝負”。(菊地慶剛)
  • W杯最終予選直前に改めて認識した、9カ月ぶり復帰の“本田効果”とは?(二宮寿朗)

    シーズンオフのためコンディション面が心配された欧州組の選手たちだったが、溌剌としたプレーを披露。宮市亮、酒井宏樹、高橋秀人(写真右)らA代表デビューを飾った新戦力もそれぞれの特長を発揮し、ザッケローニ監督の期待に応えた。 ザックジャパンにとって「田圭佑」という存在が、戦術的かつ精神的に、どれほど欠かせないピースであるかあらためて再認識させられた静岡の夜だった。 苦しんできたケガとの戦いを終えて約9カ月ぶりとなる代表戦。その圧倒的な存在感は「居なくて知る」よりも「居てこそ分かる」と言ったほうがいいだろうか。 アゼルバイジャンはFIFAランク109位といっても決して簡単な相手ではなかった。欧州で揉まれているチームであり、屈強な体の強さを押し出してくる守備に日がもっと手を焼いてもおかしくはなかった。突破口は中央でのせめぎ合い。指定席である4-2-3-1のトップ下に入った田が相手のプレッシャ

    W杯最終予選直前に改めて認識した、9カ月ぶり復帰の“本田効果”とは?(二宮寿朗)
  • Jリーグから世界へ羽ばたくチームへ!ヴィッセル神戸・西野朗新監督の野望。(戸塚啓)

    ヴィッセル神戸のオーナー三木谷浩史氏は、西野朗新監督を迎えるにあたって「ACLに出場して優勝するということを目指しています」と改めて強調。西野監督はヴィッセルの弱点として「アタッキングサードのクオリティや、自陣のディフェンスゾーンでのウィークポイントがあるようだ」とコメントした。 ゆったりとしたオーラが、記者会見場を駆け抜ける。濃紺のスーツにノーネクタイは、ガンバ大阪ゲームでお馴染みだ。 J1リーグ第12節が行なわれた5月19日夜、西野朗のヴィッセル神戸監督就任が発表された。シーズン途中の指揮官交代は、ガンバ大阪の松波正信、川崎フロンターレの風間八宏両監督に続いて3人目である。 4月30日に和田昌裕監督を解任したヴィッセルは、安達亮ヘッドコーチを暫定監督に据えながら後任人事に着手していた。クラブのフロントは、「上昇すれば安達コーチが続けることもある」と含みを持たせたが、その後も復調の兆し

    Jリーグから世界へ羽ばたくチームへ!ヴィッセル神戸・西野朗新監督の野望。(戸塚啓)
  • 目指すは「日本のバルサ」!?川崎Fの“風間革命”に昂ぶる。(田邊雅之)

    久々に眠れないぐらい興奮した。 マンチェスター・シティが劇的な勝利で44年ぶりにプレミアに君臨したからでも、レアル・マドリーが勝ち点を100点台に乗せたからでもない。理由はもっと身近なところにある。 川崎フロンターレで風間八宏新監督がやろうとしているサッカーだ。 風間は「攻」と「守」の新たな捉え方を提示しようとしているだけでなく、自らの理念を実現するために斬新なアプローチもとっている。その試みの一端が結実し始めたのが、5月3日のジュビロ磐田戦だった。 等々力陸上競技場で行われたこの試合、前半、川崎は磐田に主導権を握られる。 特に右サイドでは押し込まれる場面が目立った。 理由としては川崎の右SB(田中裕介)が磐田の左MF(菅沼実)との1対1の勝負で負けていたことと、川崎のワンボランチ(稲潤一)に対するプレッシャーがきつかったことなどが挙げられる。田中や稲をカバーすべく、右のワイド(4-1

    目指すは「日本のバルサ」!?川崎Fの“風間革命”に昂ぶる。(田邊雅之)
  • 日本一諦めきれない男の人生──。古木克明は今もオファーを待っている。(村瀬秀信)

    日々自らの身体に鞭打つようにして激しいトレーニングを続けている古木克明。古木ファンならば……ツイッターの@furukiktakとフェイスブックをチェックすべし! プロ野球が開幕して1カ月。全国各地では今年も連日勝った負けたと、いつものペナントレースが繰り広げられているわけだが、ちょっと考えてみてほしい。我々は何か重要なことを忘れてしまってはいないだろうか。 古木。 そう、古木克明の続報がまるでないのである。 開幕熱も落ち着いた今日この頃、ここで筆者は声を大にして言いたい。数多のプロ野球関係者、そしてスポーツメディアに携わる方々、ファンの人たち、古木忘れていませんか! と。 昨年10月の記事で総合格闘家からの引退と、まさかのプロ野球界再挑戦をぶち上げた古木は、その後2度のトライアウトに挑み、神戸で1安打、千葉では3安打と十分な結果も残し、人曰く「100点」と、やれる手応えもつかんだ。 東山

    日本一諦めきれない男の人生──。古木克明は今もオファーを待っている。(村瀬秀信)
  • 風間フロンターレの不気味な動き。大敗の初采配で見えた変革の予兆。 (木崎伸也)

    就任してわずか4日間しか準備期間が無いまま臨んだ4月28日の対サンフレッチェ広島戦。風間八宏新監督は「短い(準備)時間だったが選手は(新しい指導法を)意識してやってくれていた」と強い手応えを感じているようだった。 これほどピッチの上が“非常識”に満ちた試合も珍しいだろう。 4月28日、川崎フロンターレの風間八宏新監督の初戦となった川崎対広島(1対4)では、Jリーグのセオリーからかけ離れた現象ばかりが目に飛び込んできた。 たとえば、風間監督が守備の綻びに対して、まったく“対症療法”を施さなかったことだ。 この日の広島は攻撃になると、佐藤寿人を頂点に選手5人を前線に張らせ、5トップのような陣形になっていた。川崎の4バックは中央に集まって守っているため、右サイドのミキッチと左サイドの山岸智が完全にフリーになる。風呂桶でたとえるなら、両ハジに大きな穴が空いているようなもの。水がじゃんじゃん漏れ出し

    風間フロンターレの不気味な動き。大敗の初采配で見えた変革の予兆。 (木崎伸也)
  • MLBとの親善試合で気づいた、統一球がメジャー球より飛ばない訳。(鷲田康)

    統一球導入元年となった昨季、93打点で自身初の打点王を獲得した新井。今季も深刻な「投高打低」が続くなか、選手会会長としてNPBと12球団に統一球の検証と見直しを求めた。 まず、最初にこのコラムをご覧になっている読者に、筆者の不明をお詫びして頭を下げなければならないと思っている。 開幕直前に掲載されたコラム「“飛ばない統一球”驚きの都市伝説。今季プロ野球は投高打低にならない!?」は、どうやら見当違いだったと言わざるを得ないようだ。 そのコラムでは、昨年の統一球導入で起こった投高打低現象の要因について、ボールの反発係数の低下だけではないのでは、と論じた。その裏付けとして、流体力学の専門家である福岡工大・溝田武人教授の「縫い目の高さや幅の変化から、統一球は同じ角度、速さで投手がリリースした場合、ベース板上では旧球に比べて4cm下を通る」という実験結果を紹介。打撃不振の一因は、打者たちがこの4cm

    MLBとの親善試合で気づいた、統一球がメジャー球より飛ばない訳。(鷲田康)
  • 「まだ本当の良さが出てない……」栗山監督が斎藤佑樹にこだわる背景。(中村計)

    昨シーズンの成績は、19試合に登板しての6勝6敗で防御率2.69だった。今季の斎藤佑樹に期待されているのは、昨季わずか一度で終わった「完投」だ。 最初、聞いたときは、ちょっと抵抗があった。 北海道ハムの監督、栗山英樹が斎藤佑樹を開幕投手に指名した件についてだ。競争で奪い取ったというよりは、「斎藤枠」のような気がしたのだ。 その「斎藤枠」の存在は、昨年のオールスターや、今年の侍ジャパンの選考でも感じたことだった。つまり、成績だけでなく、人気や期待といった要素も加味されて選ばれたのではないかという思いだ。 いや、事実はそうだろう。 斎藤の開幕を決断した栗山も、こう語っている。 「高校時代からずっと見てきたけど、まだ当の良さが出てない。追い込むほど力を発揮する。佑樹の潜在能力を引っ張り出すという使命感があった」 つまり、「期待」で選んだと白状しているわけだ。 斎藤が“持っている”期待値も含

    「まだ本当の良さが出てない……」栗山監督が斎藤佑樹にこだわる背景。(中村計)
  • 驚くべき冤罪を浮き彫りにした、ノンフィクションの真髄。~我那覇“ドーピング事件”の真相~(一志治夫)

    『争うは意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と 彼を支えた人々の美(ちゅ)らゴール』 木村元彦著 集英社インターナショナル 1500円+税 我那覇、ドーピング、裁判――。私の記憶の中にはそんな言葉が断片的に残っているだけで、実際の事件の詳細に関してはまるで知らなかった。書で初めて、それがいかに不可解かつ理不尽な事件であったのかを教えられた。 '07年4月21日に行なわれた対浦和戦でゴールを決めた川崎フロンターレの我那覇和樹は、実はこの日、体調不良に苦しんでいた。2日経っても、喉の痛みと腹痛は治まらず、身体は水も受け付けなかった。それでも、ポジション争いが熾烈なチームゆえ、練習を休む、という選択肢は我那覇にはなく、練習終了後、ようやくチームドクターに窮状を訴え出る。 体温38.5度。水を摂るのも困難な状態で、ドクターは緊急の水分補給として、ビタミンB1を入れた生理塩水の点滴治

    驚くべき冤罪を浮き彫りにした、ノンフィクションの真髄。~我那覇“ドーピング事件”の真相~(一志治夫)
  • 実は言葉の人、落合博満。オレ流語録8年分、一挙公開!(村瀬秀信)

    退任の記者会見にて「中日以外のチームから監督のオファーがあればどうしますか」との質問に対し、「話があれば聞く」と答えた落合博満氏。「初老の男性に戻った。映画館の右の後ろで女房と映画を観たり、温泉にでも行きたいと思います」というコメントも残している 非常に楽になりました。監督という肩書は結構重たい。それを外して、普通の57歳か58歳の初老の男性に戻ったということじゃないでしょうか――。 11月22日。中日ドラゴンズ・落合博満監督の退任会見が名古屋市内で行われた。キャンディーズの解散会見、いや、10月31日にあった橋下大阪府知事の「普通の42歳に戻りたい」発言に続く、異能者たちだけに許された「普通の○○に戻る」発言は、落合博満がドラゴンズ監督としての重責を全うしたことを告げる最後の言葉となった。 思えば監督就任となった'03年10月8日の会見での、「どういうタイプの監督になるかは誰にもあてはま

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  • 日本ハムが貫いたドラフトの信念。菅野騒動で問われる球団の姿勢。(中村計)

    津田敏一日ハム球団社長が菅野の指名権獲得を確認した瞬間。「スカウティングと育成で勝ち続けるのが、ウチのモットー」と胸を張った津田社長 当にそうだろうか。 先日のドラフト会議で、日ハムが東海大の菅野智之を先方に何の断りもなく指名したことについて、一部の関係者が「失礼だ」と憤慨しているという。 しかし、指名する場合、事前に監督等に連絡を入れるのは「礼儀」ではない。あくまで球界の単なる「慣習」だ。 どのような展開になるのかもわからないのに、指名するであろう選手にいちいち連絡を入れていたのではキリがない。おそらく今年も、何の連絡もないままに指名を受けた選手は菅野だけではないだろう。 そもそも日ハムでは、ドラフト当日まで、誰を指名するかを知っているのはGMを始めとするほんの数名の幹部だけだ。 日ハムのスカウト、岩井隆之が明かす。 「僕は横浜でもスカウトをしていたんですけど、日ハムにきてび

    日本ハムが貫いたドラフトの信念。菅野騒動で問われる球団の姿勢。(中村計)
  • <智将、最後の挑戦> 落合博満 「非情を超える激情で」(鈴木忠平)

    8年間の監督生活の中で、短期決戦に勝つための非情さを身につけた。 だが今年は、落合にも計算できない力が働く。それは選手の“心”だ――。 落合竜は短期決戦に強い――。こう言われるようになったのはいつからだろう。おそらくこれは、リーグ2位から53年ぶりの日一まで駆け上がった'07年に起因している。CS第1Sで阪神に2連勝、続く第2Sでは巨人に3連勝で日シリーズへ進出した。特に巨人との第2Sの第1戦では、リリーフだった小笠原孝を中3日で先発させ、相手の度肝を抜いた。巨人ベンチに「無茶苦茶だ!」と言わしめたサプライズ先発で勝利すると、そのまま一気に押し切った。 そして極めつけは、その勢いで戦った日シリーズ。王手をかけた第5戦、1-0の9回、完全試合ペースだった先発山井大介を岩瀬仁紀に交代させた。勝つために、人間はここまで情を捨て去れるのか――。勝利だけに徹した、この采配のインパクトはあまりに

    <智将、最後の挑戦> 落合博満 「非情を超える激情で」(鈴木忠平)
    MarHear
    MarHear 2011/11/02
    そうなんだよ、日本シリーズ山井のノーヒットノーランでの交代に至るまでには伏線がいろいろ引かれているのに、それに言及する解説者やメディアが無かったのを不思議に思っていた
  • ラミレスがラミレスでなくなった日。ファンに愛された選手が歩むべき道。(鷲田康)

    37歳になったラミレスだが、今季は来日以来11年連続で20塁打以上という外国人新記録を樹立。巨人との契約が切れる今オフの去就が注目される 巨人のアレックス・ラミレス外野手はいつも労を厭わずファンサービスに取り組んでいて、その姿勢には当に頭が下がる思いがしている。 心に残っている光景がある。 ヤクルトから巨人に移籍してきた2008年の宮崎キャンプ。その初日の出来事だった。 朝のアップが始まり、選手が続々とグラウンドに出てくる。スタンドのファンは思い思いの名前を呼んで声援を送っていた。 しかし、選手の中でその声に手を上げたり、声援の方を振り返って応える選手はほとんどいなかった。こういうケースで選手が反応すると、すかさずあちこちからまた声援が飛ぶ。それにいちいち反応していたらキリがない。だから選手たちも――これは巨人に限らないことだが――あまり積極的に応じることはないのが通例だったわけだ。

    ラミレスがラミレスでなくなった日。ファンに愛された選手が歩むべき道。(鷲田康)