ファンに愛され続け、今季2000本安打を達成した強打者が、 ユニフォーム生活に別れを告げた。たび重なる故障に見舞われながら 常に前向きに歩んできた男が、激動の19年間を自らの言葉で振り返る。 10月19日、CSファイナルステージ第3戦。ソフトバンクが日本ハムに2点リードされて迎えた9回表2死二塁、一発出れば同点の場面で打席に立ったのは小久保裕紀だった。だが小久保は守護神・武田久の投じた3球目を打ち上げ、ショートフライ。その瞬間、ソフトバンクの2012年は終わりを告げ、2年連続日本一の夢もあえなく絶たれた。そして同時に、小久保の野球人生も幕を下した。 「最後の打者が自分になるなんてね。聖一(内川)が出塁して、僕まで回してくれたのが嬉しかった。相手チームの稲葉(篤紀)から花束をもらい、胴上げまでしてもらった。波乱万丈だった自分の野球人生の最後にこんな素晴らしい巡り合わせがあるなんて……自分は本
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