中高生向けだが、セイゴオ・ワールドの入門書としてもうってつけ。 タイトルに「多読術」とあるが、この「多」は本の量でも読書スピードでもない。本と向き合う姿勢が多種多様であるということ。巷に数多の多読・速読を誇る人とは完全に一線を画した松岡正剛(=セイゴオ)式読書術が明快に語られる。 まず、読書はもっとカジュアルなものだと言い切る。別に崇高な営みでもなんでもなく、何かを着ることに似ているというのだ。「読書はファッション」という言い方もあるが、もっと日々の着るものに近いという。 すると、面白い連想がうまれてくる。子供服、学生服、パンツもあれば、スーツもある。成長や好みに合わせて服を替えてきたし、身丈に合わないサイズに背伸びしたこともある。これを「着る=読む」に置き換えるのだ。さらに、服は必ず重ねて(組み合わせて)着ていることがポイント。同様に、本は一冊ずつ、一冊だけを読んでいるのではなく、合わせ
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