──本書を執筆した動機をお教えください。 鎌田:地球科学を専門に選んで40年になりますが、地球の「通史」をいずれ書きたいと考え構想を温めていましたね。24歳で阿蘇火山の地質研究を開始し、地震と火山の相互作用を明らかにするテクトニクス(地球変動学)へ研究対象を広げてきました。こうした研究の基盤には必ず「地球の歴史」が横たわっています。地震・火山のダイナミズムを理解するにも、46億年の「通史」を把握しておくことは非常に重要です。 8年前に中公新書『マグマの地球科学』を刊行した後、当時編集長をしておられた松室徹さんから、その地球の通史を縦横無尽に論じて欲しいというご依頼を頂戴しました。ここから私のライフワークとなる全3巻の執筆が始まったわけです。 実は、地球科学の研究者には「モノ派」「スジ派」という二つのタイプがあります。モノ派は、さまざまな現象の事実としての側面に興味を持つ研究者で、自然界(モ
![『地球の歴史』上中下/鎌田浩毅インタビュー](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8202944addb83a9555318a694462a09824642034/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.chuko.co.jp%2Fshinsho%2Fportal%2Fassets_c%2F2016%2F10%2F8f7d611d1cded1d5c82106841b3444b92c578dfa-thumb-1200xauto-2801.jpg)