アマゾンが Kindle の発売によって実現したのは「持ち歩ける電子書籍」です。しかし実はそれよりもはるかに重要なのが、同時に行った「本のクラウド化」です。 Kindle の本が「クラウドである」理由は、購入した本をアマゾンが常にバックアップしているとともに、それにドッグイヤーをつけたり、線をひいたり、書き込みをしたりでき、その情報も保存されているという点にあります。つまり「購入した本」という本来固定化された情報を、自分で更新できるしくみがあり、その更新情報がネット上に保存されるという点です。アマゾンがバックアップしているのは「購入したときのまっさらな本」ではなく、書き込みをした(さらに書き込みができる)「自分の本」なのです。 「自分の本」のベースは、販売されている一冊の本です。だれが購入しようが、同じものと認識できる一冊の本です。その一冊の本というデータは、論理的には、世界の中でたったひ
![読書体験のクラウド化](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/da413eb308af79fcdbbca3c919dba00614577690/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fmagazine-k.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2015%2F09%2Fcropped-magko_logo.jpg)