職員の残業代だけで昨年度、80億円以上を支給した大阪市が、家庭の温かさを想起させる「癒やしの音楽」で早期退庁を促している。 職員給与カットの奇抜なアイデア。だが、「仕事の効率アップが先では?」との声もある。さて、効果のほどは−−。 午後8時半。優しいハープの音色で、郷愁を誘うスコットランド民謡の「ロッホ・ローモンド」が2分間、庁内スピーカーから流れる。定時退庁時刻を3時間オーバーしていることを知らせる。4月下旬から始めた。 市幹部は「音楽が帰巣本能を高めるという科学的根拠はない」というが、ある職員は「温かい家庭を思わせるメロディー。帰りたくなるかも」と話す。 市が係長級以下の職員に支給する残業代は1時間当たり平均2800円で、昨年度は約83億円(一般会計)。来年4月からは月60時間を超える残業は、割増率が現在の25%から50%に引き上げられる。このままでは市は来年度、約1700万円