日曜の朝早くに、父が、「お墓の永代供養を決めた」と電話してきた。めったに自分から電話してくることのない、お坊さんが帰るやいなや「坊主丸儲け」とつぶやいてきた爺さんである。どうやら、家を出ていったセガレどもはアテにできんと腹をくくったらしい。 なりゆきで、オヤジの葬式はどうしたらいいのかと訊ねてみた。「いらん」「いらんの?」「ああ」。オヤジは長年の積み重ねで、親族との折り合いが悪い。出不精で会社を退職してからのつきあいの範囲も限られている。 「だったら何もしないよ」「?! 何もって…」「葬式せんから」「そ、そら、困る」「いらんて、いま言うたじゃない」 田舎暮らしのオヤジは、リッパなものは必要ないというだけのこと。というか、なんでそんな話を持ち出すのかと不機嫌になった。面倒は後回しにしたがるワタシの性分は、どうもこのオヤジに似たんだなと思う今日この頃だ。 高すぎる日本の葬儀費用 さて。本書は、