福田康夫首相の支持率が急落している。それがなぜか、分かっていないのは福田首相自身と町村信孝官房長官だろうか。年金記録の名寄せが来年3月までに終わらないことを受け、福田首相はこう記者団に答えた。「公約違反というほど大げさなことかなぁ」。さらに「公約で何と言っていたか思い出せなかった」と弁解し、恥の上塗りをした。 薬害肝炎訴訟問題の“和解案” こうした発言があって内閣支持率は10ポイントも下がったのだから、何らかの挽回策を出すのかと思っていた。実際、挽回するチャンスが目の前に転がってきたのだ。いわゆる薬害肝炎訴訟である。 原告団は薬の投与時期で補償する患者の線引きをすべきではないと主張して、総理の政治決断を求めたのに、国は結局、線引きを維持しつつ実質全員救済という和解案を持ち出し、原告団に蹴られたのである。そして議員立法で全員一律救済をするという「総理の決断」による「全面撤退」で幕引きを図らざ