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スゴ本と書評に関するMedrのブックマーク (5)

  • 「奇想の美術館」はスゴ本

    博覧狂気マングェルの絵の読み方。 完全にタブラ・ラサの状態で芸術に触れることは、不可能だ。プラトンによれば、あらゆる知識は記憶にすぎないし、ソロモンにいわせると、新しく見えるものは、すべて忘れられたものでしかない。わたしがある形状や色彩を知覚する際、それらは既に知覚済みの領域に反応しているにすぎない。 われらがマングェル、当然そんなことは百も承知。第一に、「描かれたもの」、自分が目にした図像、イメージから記憶を呼び覚まそうとする。たいていは幼い頃の思い出だったり、ハマった小説にまつわる風景だったりする(マングェルは<たぶん>世界一の読書家だ……生きてる人の中で)。 だから読者は、マングェルの記憶から堀りだされる数多の小説・論文・エッセイに面らうかもしれない。絵の話が文学になり歴史に転がってゆくから。描かれたオブジェクトの一つ一つが何を象徴しているかを汲み取るためには、美術史と図像学の知識

    「奇想の美術館」はスゴ本
  • 「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」はスゴ本

    スゴオフ@ミステリ編で再読の機会にめぐまれたのだが、二十年ぶりなのに反応する箇所が一緒で笑える。戦時下の混乱をしたたかに生き抜く双子におののき、その過去を相対化する続編におどろき、「相対化された過去」をさらにドンデン返す最終作に屈服する。これをミステリとして扱って、嘘を暴くことはもちろん可能だが、そんなことして何になる。一切の同情を拒絶する結末に、読者は完全に取り残され、小説と化す。 酷い目に遭ったとき、受けいれがたい現実と直面したとき、その出来事そのものを別のものとして扱うことができる。すなわち、「……というお話でしたとさ」と、物語化するのだ。葦船や平家の落人の貴種流離譚から始まって、邪気眼や「パパが犯しているのはアタシじゃなく別の子」といった自己欺瞞は、別の人格どころか、別の人生を創りだす。そして、辛いことや悲惨なことは、その人格や人生に担わせ、自分はそれを外側から眺める/聴く存在

    「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」はスゴ本
    Medr
    Medr 2010/12/25
    生協にも置いてあったな。確か、去年の生協読書感想文大賞が、東大生の書いた「悪童日記」の感想文だったんだ。
  • チェ・ゲバラはトム・クルーズ似「モーターサイクル・ダイヤリーズ」

    バイクというよりも鉄馬、満身創痍の鉄騎との旅。 スゴオフ@赤坂のアイリッシュパブでオススメされた一冊。「アラビアのロレンス」におけるモーターサイクルは、いわゆる「バイク」というよりもむしろ、騎士精神みたいだねといった流れで紹介される。チェ・ゲバラの旅日記だそうな。バイクは無縁だけど、自転車で旅したことはあるので惹かれる。さらに後日、松丸舗にて、見つけてくださいといわんばかりで飛び込んできたので有無を言わさず買って帰る。 前半はモーターサイクルで、後半は徒歩とヒッチハイクで南米を北上する。初めの頃は、行く手に何があるのか「わからない」ことに期待し、オートバイにまたがって、一キロまた一キロとむさぼるように北への逃避行を続ける。愉快な出来事ばかりではなく、貧困と欺瞞と搾取の現場を目にする。怪我や病で働けなくなった家族に向けるまなざしに、「まるでその人の面倒を見なければならない者たちに対する侮

    チェ・ゲバラはトム・クルーズ似「モーターサイクル・ダイヤリーズ」
    Medr
    Medr 2010/12/13
    これは今もたまに読む。映画も良いと思います。
  • 「逆光」はスゴ本

    辞書並みの上下巻1600頁余から浮上してきたときの、正直な気分。読了までちょうど1ヶ月かかったけれど、この小説世界でずっと暮らしていきたい。死ぬべき人は死んでゆくが、残った人も収束しない。エピソードもガジェットも伏線もドンデンも散らかり放題のび放題(でも!)いくらでもどこまででも転がってゆく広がってゆく破天荒さよ。 ストーリーラインをなぞる無茶はしない。舞台は1900年前後の全世界(北極と南極と地中を含む)。探検と鉄道と搾取と西部と重力と弾圧と復讐と労働組合と無政府主義と飛行船と光学兵器とテロリズムとエロとラヴとラヴクラフトばりの恐怖とエーテルとテスラとシャンバラとデ・ニーロがぴったりの悪党と砂の中のノーチラス号と明日に向かって撃てとブレードランナーと未来世紀ブラジルとデューン・砂の惑星とiPhoneみたいな最終兵器とリーマン予想とどうみてもストライクウィッチーズな少女たち(でもありえない

    「逆光」はスゴ本
    Medr
    Medr 2010/12/07
    ピンチョンはいつか読む、って思っている僕へ。
  • この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 ともすると似たようなばかりに淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」と教えていただいたおかげ。もちろん、好きなだけ・屋さんだけで完結しても問題ない。それでも全部読むのに一生以上かかるだろう。だけど、自分の地平を拡張するため、あえて知らない趣味、行かない場所に足を運ぶ。その収穫が、沢山の「あなた」からのオススメになる。昨年までの探索結果はこの通り。 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい!2006 このがスゴい!2005 このがスゴい!2004 さらに、今年は「スゴ」のチャネルを増やしたぞ。「スゴオフ」と銘打って、リアルでの交流を図ってきた(直近だとスゴオフ@ミステリを12/3にするよ)。ネット越しと違うのは、圧倒的な情報量。おすすめをプッシュする熱とエントロピーが

    この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    Medr
    Medr 2010/12/01
    スゴ本経由で読んでる本って案外多い。これからもよろしくお願いします。
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