露店がひしめく夏祭り。小遣いを握りしめ、豪華賞品を狙ってくじ引きに夢中になる姿は今の子供も変わらない。ところが7月、そんな楽しみを台無しにする事件が大阪で起きた。当たりが入っていないくじを引かせて現金をだまし取ったとして、露店アルバイトの男が詐欺容疑で大阪府警に逮捕されたのだ。きっかけは賞品の人気ゲーム機目当てに、子供たちに負けじと1万円以上をつぎ込んだ男性の訴え。男性は警察官にこう力説したという。「何度引いても当たらない。あのくじは詐欺だ」クレーム殺到 7月27日夜、大阪市阿倍野区の阿倍王子神社。例年2万人が訪れる夏祭りの初日とあって、神社周辺の路上には午後4時すぎから150を超える露店が所狭しと並んでいた。 「よう当たるで」 「どんどん当たり出してゲーム持っていきや」 威勢のいい呼び込みで存在感を放っていたのが、くじ引き店を仕切っていた露店アルバイトの男(45)=大阪市西成区=だった。