昨日書いた女子割礼はケニアのものだったが、スーダンの女子割礼を書いておこう。引用元は大塚和夫の『いまを生きる人類学─グローバル化の逆説とイスラーム世界』第二部第四章 女子割礼および/または女性器切除(FGM)*1 なお、ちょっと前の本なので現在スーダンで行われている女子割礼の論理と一致しているかについては、まったく保証がないことをお断りしておく。 民族誌的事実としての女子割礼目撃談 カナダ人女性人類学者、J・ボディは、1976年から77年にかけて、スーダンの首都ハルトゥームから北に200キロほど離れたナイル川沿いの村、ホフリヤト(仮名)に住みこみ、フィールドワークを実施した。その成果は『子宮と異邦霊』という著書になり、そこでは主要テーマである憑霊現象と関連させながら、女子割礼が論じられた。さらには女子割礼そのものをテーマとした「オアシスとしての子宮」と言う論文も発表している。ここでは後者に