福岡のダーウィニズムに対する攻撃はさらに続く。 さらにいえば、たとえば視覚が進化の過程でどのように生まれたかを考えてみると、ダーウィニズムの最大の問題点が浮かび上がります。眼は、光を集めるためのレンズ(水晶体)、像を映すための網膜、その背後にあるたくさんの神経線維が脳細胞につながって……という風にさまざまな部位が組み合わさってできている。何億年もかけて試行錯誤して、少しずつ改良していけば、そういう複雑な機能もできるというのがダーウィンやその後継者であるドーキンスの考え方です。彼には『ブラインド・ウォッチメイカー』という著作があるんですが、眼の見えない時計職人でも、非常に長い時間をかけて部品をいじっていれば、いつかは時計を組み立てることができる、それと同じだというわけです。ところが視覚というのは、さきほど言った部位が一斉に揃わないと成り立たない。水晶体だけが改良されてもダメだし、網膜だけが改