世界文化遺産登録を目指している百舌鳥古墳群の仁徳天皇陵(堺市堺区)で、堀にすむ外来種のブラックバスやブルーギルを狙って侵入する釣り人が絶えず、管理する宮内庁が頭を痛めている。先月には、釣り人が持ち込んだとみられるランプが原因で、雑草約50平方メートルが焼けるぼやが発生した。宮内庁は「尊厳を保つべき場所と分かってほしい」として大阪府警堺署に被害届を提出。堺署が捜査している。 仁徳天皇陵は、天皇が眠る陵墓として宮内庁が管理。世界最大規模の前方後円墳として知られ、周囲は3重の堀で囲まれている。 同庁書陵部・古市陵墓監区事務所によると、釣り人が増えてきたのは10年ほど前から。何者かが堀に放したブラックバスやブルーギルが増殖。インターネットなどで情報が広まり、フェンスを乗り越えて釣り人が侵入するようになった。 同事務所では職員の巡回を強化したり、「立ち入り禁止」の看板を掲示するなど、対策を行ってきた