最近海外に留学する日本人が減少しているようだが、日本人は「内向き志向」が強いとも言われる。なぜそうなったのか。『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が脳科学の視点で分析する。以下は澤口氏の解説だ。 * * * サッカー選手や野球選手など、日本人の海外での活躍が目立つようになっています。日本人に限らず、活躍の場を求めて「あえて海外に出ていく」という人たちが持つ強い意志や志向には、進化的な要素が関与しています。 ヒトという種はひとつしかないのに、世界中に広く分布し、多くの民族があります。現生人類の祖先たちは、15万年ほど前まで、東アフリカに住んでいましたが、13万〜15万年ほど前にアフリカ大陸全域に広がり、さらにヨーロッパ大陸、アジア大陸、中南米大陸へと広がっていって、その過程で言語も民族も多様になっていったのです。 これは、人と最も近い動物であるチンパンジー類との大